東日天文館・案内リーフレット


昭和13年秋に発行された東京・有楽町の「東日天文館」の案内リーフレット

二つ折りのリーフレットで、今ご覧頂いているのはその表紙です。大きさは縦15p×横11pですので

ふたつに開いた時の大きさは横22pになります。

内容はプラネタリウムについての説明と昭和13年11月から翌年9月までの毎月の空の話題です。

例えば昭和13年12月では「過去の空と未来の空」のタイトルが示され「神武天皇御東征時代にはどんな星が輝いていたでしょうか? 又今から一万年後には北極点はどうなるのでしょう」と短い文章が添えられています。

あるいは、昭和14年3月では「人の住める星、住めぬ星」、5月では「生命の親「太陽」の正体」、7月では「謎の星、火星」という具合にタイトルが書かれ、それぞれのタイトルのあとに短く説明文が添えられています。

裏表紙は「天文館実験時刻」と「観覧料」で、料金は「大人五拾銭/小人二拾五銭」となっています。また、団体割引表には、

「軍人・学生・生徒・児童」と「其他」があり、 「軍人・学生・生徒・児童」は30人以上で一割引き、50人以上で二割五分引き、100人以上で三割引き、150人以上で三割五分引き、 200人以上で四割引きで一般(其の他)よりかなり優遇されていることがわかります。

下図は昭和14年冬に発行されたリーフレットの表と裏(開いた状態)と内側に印刷された昭和14年3月から昭和15年2月までの「毎月の話題」です。上に紹介したリーフレットの次に発行したものですので昭和14年3月から9月までは内容が重複しています。

ただし、昭和13年秋に発行したのものは、昭和14年4月が「南極の空と北極の空」となっていますが、昭和14年冬に発行したものは「南極の空」となっています。

また、6月は「時と暦(昭和13年秋発行)」に対して「天の川と宇宙(昭和14年冬発行)」となっています。

裏面の観覧料に差異はありませんが、「天文館実験時刻」の表記に若干の違いがあります。また、昭和13年秋のものには印刷所が明示されていませんが、昭和14年冬のものには裏面に小さく「東京神田 西川錦石堂印行」とあります。

デザインや色使いは全く同じものと言ってよいと思いますが、紙質は一見して顕かに昭和14年冬発行のほうが劣っています。そのためか昭和13年秋と比べて少しばかり色がくすんで見えるようです。


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